いまさら聞けない経済

日本銀行とは

日本銀行は、1882年に設立された日本の唯一の中央銀行です。
日本銀行は、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人であって、政府機関や株式会社ではありません。

日本銀行の目的

日本銀行法では、日本銀行法第1条と第2条において、以下の2つの目的を明確に規定しています。

1.物価の安定

第1条第1項 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。 第2条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

日本銀行の金融政策の最も重要な目的は、「物価の安定」を図ることにあります。
物価の安定は、経済が安定的かつ持続的成長を遂げていく上で不可欠な基盤であり、中央銀行はこれを通じて「国民経済の健全な発展」に資するという役割を担っています。

2.金融システムの安定

第1条第2項 日本銀行は、前項に規定するものの他、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
決済システムの円滑かつ安定的な運行の確保を通じて、金融システムの安定に寄与することも、日本銀行の重要な目的です。
日本銀行は、金融機関に対する決済サービスの提供や「最後の貸し手」機能の適切な発揮等を通じて、この目的の達成に努めているのです。

日本銀行の業務

日本銀行は、日本の中央銀行として次のような業務を行っています。

金融政策

物価の安定を図るため、金融政策の決定、実行に当っています。

金融システムの安定

金融システムの安定を維持する為、考査やオフサイト・モニタリング「最後の貸し手」としての資金供給などを行っています。

決済システム・市場基盤

日本銀行が運営している決済システム(日銀ネット)の他、日本の決済システムや市場の安全性・効率性の一段の向上に努めています。

銀行券・貨幣の発行・管理

お札を発行し、その安定供給を確保すると共に、戻ってきたお札をチェックする業務などを行っています。

国庫・国債・対政府取引

日本政府のお金(国庫金)の出し入れ・管理や、国債に関する事務などを行っています。

国際金融

外国為替の売買や、外国中央銀行や国際機関との協力の為の業務などの国際金融業務を行っています。

調査・研究・統計

金融経済情勢や金融市場・制度などについて調査・分析や基礎研究を行っている他、各種統計を作成・公表しています。

対外説明・広報

金融政策、その他の政策・業務に関する速やかな公表、国会への報告・出席、記者会見・講演の実施などを通して、色々な情報提供を行っています。

経済に与える影響[景気について]

日本銀行は金融政策を決定するに当たって、金融や経済の状況についてさまざまな角度から判断を行っています。
景気とは、文字通り、実体経済の状況に加え、企業や家計の経済活動に対するマインドを表わす言葉ですから、その状況の判断に当たっては最近及び先行きの金融・経済状況を示す指標の分析のみではなく、企業の業況感や消費者マインド等の指標をみるなど、総合的な視点が重要となります。

景気動向の調査としては、各種の統計を用いて経済の全体像を直接的に分析するマクロ調査と、主として企業に対する聴き取り調査を通じて得た情報に基づき分析するミクロ調査があります。
この点日本銀行では、本店が日本経済全体の動きを分析すると同時に、地方の支店・事務所等も地元経済の動きを絶えず追っており、こうして全国から集められた情報が景気の判断に役立っています。