いまさら聞けない経済

需要と供給とは

ものやサービスの価格や量は、買いたい人が欲しい量と、売り手が売りたいと思う量のバランスで決まっていきます。
買いたい人が欲しい量の事を需要量といい、売りたい人が売りたいと思う量を供給量といいます。

需要とは「とある商品を買おうとする事」
供給とは「とある商品を生産し販売しようとする事」です。

しかしこれでは、価格も量もなかなか決まりません。
では売り手も買い手も納得する価格や量は、どうやったら決まるのでしょうか。

均衡価格

次のグラフは、需要曲線と供給曲線を組み合わせたものです。
需要と供給について・いまさら聞けない経済
グラフを見てわかるとおり、二つの曲線が交差する点P1が、需要量と供給量が釣り合っている点です。
つまり、そこの価格が売り手も買い手も納得する価格であると言えます。
そしてその時の価格を均衡価格と呼びます。

需要量や供給量は、その時々でつねに変化しているので、時に供給量が需要量に追いつかず、価格が上昇したり、またその逆に供給量が多すぎて価格が下落したりすることもありますが、そのうちに均衡が取れて適正な価格に収まると言われています。
こうした市場の働きの事を市場原理や「価格の自動調節機能」と呼ぶこともあります。

経済に与える影響[価格変動と公共料金]

なぜ、モノの値段は上がるのでしょうか? 一方で、値段が変わらないモノもあります。

天候や流行、技術革新などにより、需要や天候が急激に変動し、市場価格が変化します。電気、水道、郵便、鉄道など、需要によって料金が変動すると生活に支障をきたす恐れがあるので、国や地方自治体が「公共料金」として管理をしています。
電話などの通信料金は、電話会社の競争のおかげで安くなりつつあります。

経済に与える影響[価格・価格統制]

政府などが上限価格や下限価格を設定することを価格統制といいます。
例えば家賃統制などで上限価格が設定されている場合、価格の上昇による供給量の増加と需要量の減少を通じた超過需要の解消が妨げられます。
その結果、売り手による買い手に対する割り当てが発生することになります。
これに対し最低賃金などで下限価格が設定されている場合には、価格の下落による供給量の減少と需要量の増加を通じた超過供給の解消が妨げられます。
その結果、売れ残りが発生することになってしまうのです。 また、最低賃金を設定することは労働市場で労働が供給過剰になった時賃金を下げることができず失業を生む原因となります。

経済に与える影響[価格の硬直性]

需給の調整にあたって価格が変化しないことを価格の硬直といいます。
例えば実際の価格が均衡価格を上回っているものとします。
この時に価格の硬直性があり、価格が下落しない場合超過供給の解消は、需要曲線そのものの右方シフトによることになるのです。